結論:まず「事実確認→証拠→書面で交渉」。SNSで騒ぐのは最後
事故物件(心理的瑕疵)の告知は、国交省が宅建業者向けに判断基準を示しています。
入居後に知った場合も、やることはシンプルで
- 本当に事実か確認
- 証拠を確保(広告・重要事項説明・契約書・やり取り)
- 管理会社/仲介へ書面で交渉(解約 or 家賃減額など)
この順が一番通ります。
1. まず落ち着いて:本当に「事故物件」か確認する
近所の噂だけで動くと、後で話がややこしくなります。まずは仲介・管理会社にこう聞いてください。
確認テンプレ(まずこれ)
「念のため確認です。この物件(および通常使用する共用部)で、過去に人の死に関する事案はありますか? ある場合は、時期と概要(死因の分類、特殊清掃の有無)を教えてください。」
国交省ガイドライン上も「質問されたら答える必要がある」整理になっています。
2. すぐやる:証拠を確保(これが勝負)
交渉で強いのは「記録」です。今日中に確保してください。
証拠チェックリスト
- □ 募集広告のスクショ(SUUMO等の掲載文/“告知事項あり”の有無)
- □ 重要事項説明書(説明を受けた書面・署名ページ)
- □ 賃貸借契約書(特約含む)
- □ 入居時のやり取り(メール、LINE、SMS、電話メモ)
- □ 事故を知った経緯(誰から・いつ・何を聞いたかメモ)
3. 判断の軸:告知が必要だった可能性が高いケース
国交省の整理では、自然死・日常生活の不慮の死は原則告知不要、など基準があります(例外あり)。
入居後のトラブルになりやすいのは次です。
- 自殺・他殺・火災など(心理的影響が大きい類型)
- 自然死でも特殊清掃が入ったなど、通常の借主に強い心理的影響が見込まれる状況
- あなたが契約前に質問していたのに否定された(“聞かれたら答える”と真正面からぶつかる)
4. 交渉のゴールを決める(おすすめは3択)
入居後に判明した場合、現実的な着地点はこの3つです。
A)違約金なしで解約(+初期費用の返金交渉)
- 退去したい人向け
- 交渉材料:告知の有無、説明の内容、精神的負担、契約判断への影響
B)家賃の減額(または一定期間の減額)
- 住み続けてもよいが納得できない人向け
- 値引き幅はケース次第。まずは「提案」から。
C)引越し費用の負担(または一部負担)
- 実務では「円満解決策」として出やすい
- 退去費用(引越し代、鍵交換、清掃など)の扱いをパッケージで調整
5. まず送るメール(コピペOK):説明と対応案の提示依頼
件名:【重要】入居後に判明した告知事項について(〇〇号室/氏名)
お世話になっております。〇〇号室の【氏名】です。
本日、当該物件に関して「過去に人の死に関する事案があった可能性」を知りました。事実関係の確認のため、下記について書面(メール)でご回答をお願いいたします。1)当該事案の有無(ある場合:発生時期、場所、概要、特殊清掃の有無)
2)契約前に当方へ告知・説明した内容(重要事項説明を含む)
3)今後の対応案(解約・家賃調整等)について協議のお願いなお、本件は生活に大きく影響するため、【〇月〇日(3営業日〜1週間)】までにご回答いただけますと幸いです。
【氏名】/【電話】/【メール】
6. 解約したい場合のテンプレ(違約金なしの交渉)
件名:契約解除(違約金免除)の協議のお願い(〇〇号室/氏名)
お世話になっております。〇〇号室の【氏名】です。
事案の説明を踏まえ、本件は契約判断に重要な影響があり、入居継続が困難です。
つきましては、円満解決として下記条件での合意解約をご提案します。・違約金/短期解約金:免除
・退去日:〇月〇日(調整可)
・初期費用(例:仲介手数料、礼金、入居月家賃の一部など)の精算:協議
・引越し費用:協議ご検討のうえ、【〇月〇日】までにご回答ください。
【氏名】
※「必ずこうなる」とは言えませんが、“円満に終わらせる提案”として通りやすい型です。
7. やってはいけない3つ(損しやすい)
- SNSで実名・物件名を出して拡散(名誉・営業妨害の火種になりやすい)
- 家賃を勝手に止める(あなた側の債務不履行扱いを招きやすい)
- 口頭だけで交渉(後で「言った/言わない」になりがち)
8. 相談先(詰まったらここ)
- まずは 消費生活センター(188):住まいトラブル全般の相談窓口として案内されています。
- 重要事項説明や契約の争いが強い/高額の損害がある:弁護士・法テラスも検討
- 「宅建業者の説明」に強い論点がある:証拠(重説・広告・メール)を揃えると進みます。
よくある質問(FAQ)
- Q入居後でも、違約金なしで解約できますか?
- A
事案の内容・説明の有無・契約判断への影響などで変わります。まずは事実確認と証拠確保をした上で、「合意解約(違約金免除)」として交渉するのが現実的です。
- Q「自然死」なら事故物件じゃないの?
- A
ガイドライン上は自然死・日常の不慮の死は原則告知不要の整理ですが、状況(特殊清掃の有無等)で扱いが変わり得ます。
- Qどれくらい急いで動くべき?
- A
できるだけ早くです。時間が経つほど「納得して住み続けた」と見られやすく、交渉が弱くなります。まずは“確認メール”だけでも先に送っておくのが安全です。
- Q管理会社が答えてくれません
- A
期限を切って再送し、それでもダメなら188へ。公的窓口の助言を入れると動くケースがあります。
- Q家賃減額で住み続けるのはアリ?
- A
アリです。解約よりも現実的にまとまりやすい場合があります。減額期間(例:半年〜)など“落とし所”を作ると進みます。
まとめ:入居後に知ったら「確認→証拠→書面交渉」で勝てる確率が上がる
- まず事実確認(噂だけで動かない)
- 広告・重説・契約書・やり取りを確保
- ゴールは「合意解約」か「家賃調整」か「引越し費用」
- 困ったら 188(消費生活センター)へ

