結論:退去立会いは「サイン=同意」になりやすい。まず“確認”に徹する
退去立会いで一番多い失敗は、内容が曖昧なままサインしてしまうことです。
当日は「その場で決める」より、証拠を残して、内訳を出してもらってから判断が安全です。
このチェックリスト通りに動けば、あとで揉めにくくなります。
1. 退去立会いの前日までに準備するもの(必須)
準備チェックリスト
- □ 賃貸借契約書(敷金・特約・原状回復条項)
- □ 入居時の写真(あれば強い)
- □ 退去時に撮るスマホ(充電100%推奨)
- □ メモ(紙でもスマホでもOK)
- □ 立会い書類を持ち帰るためのクリアファイル
- □ 手元に残す用の「書類の写真」を撮る準備(スキャンアプリでもOK)
できればやっておくと強い
- □ 退去前に部屋全体の写真・動画(広角)を撮っておく
- □ 気になる箇所は“寄り”で撮る(壁・床・水回り)
- □ 掃除後の状態が分かる写真(特にキッチン・風呂)
2. 当日の流れ(これだけ覚えておけばOK)
- 入室直後に全体写真・動画(明るい時間に)
- 管理会社の指摘を聞きながら、指摘箇所を必ず撮影
- 書面に書かれた内容を確認し、曖昧な表現はその場で修正依頼
- その場で金額が決まっても即同意しない(内訳後でOK)
- サインするなら「確認」止まり。金額同意・全面負担の文言は避ける
3. 退去立会いで“絶対に撮る”写真(最重要)
写真チェックリスト(これだけで交渉が変わる)
部屋全体(証拠の土台)
- □ 玄関(外・内)
- □ 各部屋の四隅が入る引き写真(天井・床・壁が分かる)
- □ 窓まわり(サッシ・結露跡)
- □ ベランダ(床・排水口)
水回り(請求が出やすい)
- □ キッチン(シンク・コンロ・換気扇)
- □ 浴室(壁・床・排水口・天井)
- □ 洗面台(ボウル・鏡・周辺)
- □ トイレ(便器・床・換気扇)
傷・汚れ(争点になる)
- □ 壁の傷・穴(寄り+全体位置が分かる引き)
- □ 床の傷・凹み(寄り+引き)
- □ ドア・建具・クローゼット
- □ エアコン(型番・汚れ・動作確認できればなお良し)
コツ:
「寄り写真だけ」だと場所が分からず弱いです。
引き→寄り→もう一回引きの3点セットで撮ると最強。
4. 書面でチェックすべき項目(サイン前)
立会いで渡される紙はだいたい以下です。
- 退去立会い確認書
- 原状回復チェックシート
- 修繕見積(または後日見積の案内)
サイン前チェックリスト(ここ超重要)
- □ 「金額に同意」になっていないか
- □ 「全面張替え」など範囲が曖昧でないか(部屋全体/一式 等)
- □ 指摘箇所が具体的に書かれているか(壁〇面、床〇㎡など)
- □ 「借主負担」断定の文言が入っていないか
- □ 「写真あり」「当社判断」など一方的表現がないか
- □ 後日見積の予定日が書かれているか
5. “サインしてOK”と“危険なサイン”の違い
比較的OK(=確認の意味に留められる)
- 「本書の内容を確認しました」
- 「指摘箇所を確認しました」
- 「見積提示後に協議します」などの一文がある
危険(=同意・承諾になりやすい)
- 「請求金額に同意します」
- 「原状回復費用は借主が負担します」
- 「貸主の判断に従います」
- 「一切の異議を申し立てません」
- 「退去精算は本書の通り確定します」
結論:
“同意・異議なし”系の文言があったらサインは保留が安全です。
6. その場で断りにくい時の言い方(テンプレ)
立会い担当に言いづらいときは、これでOKです。
ひとことテンプレ(柔らかく強い)
- 「内容は確認しました。金額と内訳を見てから判断したいので、今日は“確認”として進めたいです。」
- 「念のため、書面を持ち帰って確認してから回答します。」
- 「見積が出たら、メールでいただけますか?その後に相談します。」
7. “持ち帰りたい時”の一文(書面に追記できれば最強)
もし書面に手書きで追記できるなら、これを書いてからサインが安全です。
「本書は指摘箇所の確認であり、費用負担・金額への同意ではありません。見積提示後に協議する。」
追記できない/嫌がられた場合は、サイン自体を保留でも問題ありません。
8. 退去後に高額請求が来たときの最初の一手
高額請求が来たら、まずは
- 内訳(単価・面積・施工内容)
- 根拠(特約の該当箇所)
- 交換が必要な理由(部分補修不可の理由)
を文面で求めてください。
(関連記事)
- 「原状回復で請求が高すぎるときに見るべき3つ」
- 「敷金が返ってこない時の交渉テンプレ」
よくある質問(FAQ)
- Q立会いに行けない場合はどうなりますか?
- A
立会いなしで管理会社が確認するケースもあります。ただし証拠が弱くなるので、可能なら退去直前に自分で写真・動画を撮り、書面で「写真を撮影済み」と伝えると安心です。
- Qサインを断ったら退去できなくなりますか?
- A
通常は退去できます。サインは「精算の同意」と結びつくことがあるので、納得できない場合は保留で問題ありません。
- Qその場で金額を提示されました。払うべき?
- A
即払いはおすすめしません。内訳と根拠が揃っていないと妥当性の判断ができません。後日見積の提示を求めましょう。
- Q写真はどれくらい必要?
- A
“部屋全体”+“指摘箇所”が最低限です。引きと寄りをセットで撮ると強いです。
- Q担当者が強めで怖いです。どうすれば?
- A
「持ち帰って確認します」を繰り返してOKです。会話はできれば録音(地域のルールに配慮)よりも、メールでのやり取りに切り替えるのが安全です。
まとめ:退去立会いは“確認”に徹して証拠を残す
- 写真は「引き→寄り→引き」で撮る
- 書面は「同意・異議なし」系の文言を警戒
- その場で決めず、内訳と根拠が出てから判断
- 交渉は文面で残す

