結論:退去費用の見積もりは「①範囲 ②単価 ③理由」でほぼ判定できる
退去費用が高いと感じたら、いきなり揉めるのではなく、見積書をこの3点でチェックしてください。
- 範囲チェック:請求が「部屋全体」になってない?(部分補修で済むのに全張替え等)
- 単価チェック:単価が相場とかけ離れてない?(“一式”が多すぎない?)
- 理由チェック:その費用が「借主負担の根拠」に合ってる?(通常損耗・経年劣化まで請求されてない?)
この3つを押さえるだけで、減額交渉の勝ち筋が見えます。
まず準備:見積書と契約書を机に並べる
チェックに必要なのはこの2つだけです。
- 退去費用の見積書(できれば写真付き・内訳あり)
- 賃貸借契約書(特約のページ/原状回復・クリーニング条項)
- 可能なら:入居時・退去時の写真、立会い記録(メモでもOK)
見積もりの3チェック①:範囲チェック(“全張替え”は要注意)
まず見る場所:内訳の「面積」「数量」「一式」
高額請求で多いのがこれです。
- クロス:一面の汚れなのに部屋まるごと張替え
- 床:一部の傷なのに全面張替え
- 清掃:「ハウスクリーニング一式」+「各所清掃」重複
範囲チェックの質問テンプレ(コピペOK)
この請求は「どの場所の」「どの範囲(面積)」の修繕ですか?
部分補修では足りない理由(色ムラ、施工上の都合等)を教えてください。
可能なら「該当箇所の写真」と「施工範囲が分かる図」でください。
ポイント:“どの場所の何㎡か” が出てこない見積もりは、削れる可能性が高いです。
見積もりの3チェック②:単価チェック(“一式”“相場外れ”を炙り出す)
単価チェックで見る項目(典型)
- クロス張替え(㎡単価/m単価)
- フローリング補修・張替え(㎡単価/枚数)
- クリーニング(㎡単価 or 1R/1K固定)
- エアコン清掃(通常清掃と分けて請求されていないか)
- 鍵交換(「任意」なのに請求されていないか)
単価チェックのコツ
- 「一式」が多い=比較できない=交渉されやすい
- 単価が高いかどうかは、まず“数量×単価”が明記されてるかが先
- 会社によって単価は違っても、説明できない高単価は減額余地が大きい
単価チェックの質問テンプレ(コピペOK)
各項目の「単価」「数量(㎡・m・枚数)」「作業内容」を明記した内訳に修正できますか?
「一式」になっている項目は、内訳(材料費・工賃・処分費)を分けてください。
見積もりの3チェック③:理由チェック(借主負担の根拠があるか)
退去費用は雑に言うと、**借主が払うのは「故意・過失・善管注意義務違反・通常の使用を超える損耗」**が中心で、
普通に住んでいれば起きる“経年劣化・通常損耗”は貸主側が基本、という考え方で整理されます。
ここで大事なのは、請求の理由が次のどれかです。
- 借主負担になりやすい:タバコのヤニ、ペット傷、落書き、結露放置によるカビ拡大、故意の破損
- 貸主負担になりやすい:日焼け、家具跡の軽微なへこみ、普通の生活汚れ、設備の自然故障
理由チェックの質問テンプレ(コピペOK)
この項目は「通常損耗」ではなく、借主負担と判断した理由を教えてください。
どの写真・どの状態を根拠にしていますか?
ここで分岐:交渉の“最短ルート”は2パターン
A)減額交渉したい(払う意思はある)
おすすめの順番:
- 内訳の再提出を依頼(範囲・単価・理由)
- 重複項目の整理を依頼
- 「部分補修」提案(全張替え→一面/一部補修)
- 落とし所を提示(例:納得できる金額で即日振込)
B)争いたい(明らかにおかしい/高額)
- 支払い前に“書面(メール)”で異議
- 立会い記録・写真の提出を依頼
- 公的窓口(消費生活)へ相談
- 必要なら専門家へ
そのまま送れる:減額交渉メール(コピペOK)
件名:退去費用見積もりの内訳確認と再見積もりのお願い(◯◯号室/氏名)
お世話になっております。◯◯号室の【氏名】です。
退去費用の見積もりを拝見しましたが、内容確認のため下記の点についてご回答をお願いします。1)各項目の「作業箇所」「数量(㎡/m/枚数)」「単価」「作業内容」を明記した内訳
2)「一式」表記の項目について、材料費・工賃・処分費などの内訳
3)全張替え(全面施工)となっている項目は、部分補修では足りない理由
4)借主負担と判断した根拠(該当箇所写真・判断理由)内容が確認でき次第、合理的な範囲で速やかに精算したいと考えています。
お手数ですが【◯月◯日】までにご回答(再見積もり)をお願いいたします。【氏名】/【部屋番号】/【電話】
よくある“高すぎる見積もり”の典型パターン(要注意)
- クロス:全室張替えが前提になっている
- クリーニング:一式+各所清掃+消臭などが重複
- 修繕:設備の自然故障まで借主負担にしている
- 鍵交換:契約上は任意なのに当然のように請求
- 退去後追加請求:説明なしに金額が上がる
まとめ:見積もりの3チェックだけで、削れるポイントが見える
- 範囲:全張替え・全面施工になっていないか
- 単価:一式が多すぎないか/単価×数量が明記されているか
- 理由:通常損耗まで借主負担になっていないか
まずは「内訳を出してください」でOKです。感情より、数字と根拠で詰めるのが勝ちパターンです。

